前回の記事「心理占星術における水星」では、水星が「効果的な思考表現に必要なもの」について現すとお話しました。本記事ではホロスコープの中の金星の働きについて紹介します。
人間関係における水星と金星の役割の違い
社会における人づきあいにおいて、思考表現が重要な位置を占めるのは言うまでもありません。水星はどの星座やアスペクトを持っていても、基本的には的確なコミュニケーション・情報伝達を担当しています。水星が効果的に働けば働くほど、仕事における効率的なチームワーク、巧みなプレゼンやレポート提出などが可能になります。水星はこれらの事務的なコミュニケーションを明確に行うのに必要不可欠ですが、人間関係の要である感情面においては実はそれほど強くありません。
金星は人間関係における感情面を司ります。人と楽しく付き合う上で必要不可欠な「好き」という感情や、相手への共感、賞賛、感謝などの情感は全て金星の担当です。金星が効果的に働けば働くほど、相手への好意を伝えたりする能力が発揮され、周囲の人から「魅力のある人だ」と思われるようになります。金星分析において従来はルックスやファッション感性などが強調されますが、美的感性は情感面の一部であると考えると解釈の幅が広まります。