【子供・恋愛・趣味】を表すとされる第5ハウス。ノエル・ティルは「愛情を与えること」がこの経験領域の焦点であると提唱しています。男女関係やセックスにおいても重要な5ハウスですが、愛や情熱を芸術的に表現する行為も含まれています。
素直に愛情や好意を表現できる人の周りには、男女を問わず人が集まってきます。情熱を歌や音楽にのせて伝えるミュージシャンも、自然と人を惹き付ける存在です。どのようなかたちでも、日常生活の中で愛情や喜びの感情を表現できるようになれば、5ハウスが活きてきます。
第5ハウスの緊張
5ハウスの支配星が緊張下にある場合、素直な愛情表現を難しくする要因の存在を考える必要があります 。例えば、極めて愛情表現の乏しい環境で育てられた子供は、周りの大人から良い見本を得られず、成人してからも愛情を与える行為に不器用さを感じるでしょう。
この場合、愛情を与えるという行為を、例えば自分の子供への愛情表現を通じて発達させていく必要があるかもしれません。
「自分を愛する事なしに、人を愛する事はできない」とは5ハウスの緊張を表すのにぴったりの言葉です。インナーチャイルド・セラピーなどの、自分自身をいたわる練習法も、第5ハウスの発達には有意義でしょう。
喜びのハウス
第5ハウスが昔「喜びのハウス」と呼ばれていたことを考えても、この経験領域が心理的健康にどれだけ重要かが伺えます。
愛情を与えるということを諦めてしまうと、周囲への心が閉じてしまいます。すると、どれだけ沢山の人が周りにいても、孤独感に苛まれ、喜びは味わえなくなるでしょう。
日常における第5ハウスの活性化
「笑顔」や「アイコンタクト」といった何気ない動作を例にとってみましょう。相手の目を見ないでするやり取りというのは機械的で、そこに愛情や好意を表現する空間は生まれませんね。笑顔を見せずに行う無表情な会話も同じで、人間らしい「感情のやり取り」を最小限にとどめる結果を生みます。
日常において、もっと相手の目をしっかりみてやり取りすることを試みたら、どういう変化があるでしょう? 相手に笑いかけ、気持ちよく笑い合うような付き合い方を始めたら、どういう心境の変化があるでしょう?
第5ハウスと恋愛
恋愛がとても気持ちいいのは、相手と見つめ合い、笑い合う行為からも来ています。「誰かが好意や愛情を持って自分の事を見て、笑いかけてくれる」のもありますが、それよりも「自分が相手に愛情を持って見つめて、笑いかけること」が大きいのです。
仕事場や家庭でこうした感情のやり取りが乏しい環境にいる場合、自分から素直に愛情を与えるには勇気が必要かもしれません。拒絶される恐怖感を克服して人に笑いかけられるのは、勇敢な人であると言えるでしょう。
愛されることよりも、まず愛すること。【喜びのハウス】を活性化させるには、 自分が与える存在になる事が必要不可欠なのです。
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photo:Tommy Clark