第9ハウスと「世界観」
【高等教育・哲学・出版・外国旅行】など、実に幅広い意味を持つ第9ハウス(9室)。心理占星術では9ハウスを人の持つ「世界観」として捉える事があります。
仕事や、美、そして成功の基準に関して、個人の住む社会の大部分が共有する世界観というものがあります。善かれ悪しかれ、私たちの世界観は周囲の大小の社会集団の持つ考え方を吸収して形成されていきます。
第9ハウスがスムーズに機能している場合、私たちの世界観は個人が社会における確かな居場所を築くための【精神的土台】を与えてくれます。この一例としては、「学歴」が社会における成功の前提と考えられている事が挙げられます。大学教育を受けた人と、そうでない人の「世界観」は明らかに異なっていますね。
第9ハウス(9室)の緊張が意味するもの
第9ハウスの支配星が緊張下にある場合、成長途上でこの「世界観」そして「精神的土台」の限界を強く感じる事になるでしょう。両親の世界観が個人の成長を制限するものである場合、潜在能力を活かすために努力して視野を拡張していく事が必要になるかもしれません。
例えば、「女性に大学教育や地位は必要ない」という世界観を持つ親の下で育った子供は、自分自身の大学進学に対しても今一控えめになってしまうかもしれません。自分のいきたい大学や学部に進むことよりも、親の意見を優先してしまったり、大学卒業を諦めてしまうことさえあるでしょう。
この他にもお金・成功・人間関係などに関する親の世界観が極めてネガティブで抑制的なものであった場合、それが「見えない制限」となり、仕事の選択や出世に深刻な影響をもたらす事が容易に想像できますね。
「異国の文化」が教えてくれること
9ハウス的な活動の一つとして「海外旅行」があります。外国を旅行していると、自国の社会に特有の価値観や世界観がはっきり見えてきます。例えば、日本では当たり前の「お辞儀」や「目上の人への礼儀作法」が、「敬語が存在しない」英語社会では見当たらなかったりします。
海外の文化に触れる事で「個人主義」「実力主義」の社会の良さを吸収して戻ってくるビジネスマンも沢山いることでしょう。わずかな間でも異国の生活を通じて世界観を広げる事で、日本文化の美徳である謙虚さや繊細さを失う事なく、西洋文化で重視される「自己主張」の能力を高める事が出来るのかもしれません。
海外に行かなくても、新たな世界観を吸収する方法は沢山あります。読書を通じて新たな哲学に触れる事や、興味のある事について勉強したり、資格を得たりするというのも有意義でしょう。
9ハウスの改善:「生まれ育った社会」の精神的限界を乗り越える
家族や社会が共有する世界観は、見えない制限として私たちの人生を左右する事があります。出生図内、そしてトランジットやソーラーアークにおける第9ハウスの活性化は、視野の拡張を通じて精神的なリミッターを取り除く必要性を表している可能性があります。
年齢を経て、様々な障害を克服しつつ、柔軟に精神的成長を続ける事ができる人と、なかなかそうできない人がいます。9ハウスという経験領域における努力で勝ち取るものは、快活で回復力に富んだ精神なのかもしれません。
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私は9ハウス♌️
10ハウスとの界に天王星とドラゴンヘッドが有ります。海外旅行に関してはやはり観光ではなく2週間でしたが勉強目的で行っております。
人生の晩年を迎えましたが、ASCには冥王星があり、12ハウスには、太陽と海王星がくっ付いていて天王星の象徴である占星術を研究して勉強中です。
先生の記事はいつも大変参考にさせて頂いております。
コメント有り難うございます。9ハウス内の天王星は、国際的・哲学的な学びを通じて自分の本質に目覚めるという風に考えられるかも知れませんね。
私は9ハウスが天王星にあります
木星の年齢域(46歳)に入ってます
その木星とスクエアとなっていて
これから社会とうまくやっていけるのかなと思っております
天王星のスクエアって
大丈夫なのでしょうか
何かの記事で
先生の見解を聞くことができたら幸いです
よろしくお願いいたします
なな美さん お返事遅れてしまいましたが、9ハウスの天王星というのは、世界観を革新してくれる学びを求める一方、新たな世界観を発信していく、という示唆もあるのではないかと考えます。もしトランジット木星が出生図の9ハウスの天王星を刺激しているのであれば、こうした見方を考えてみると有意義かもしれません。