12星座の意味

12星座(サイン)とは:心理的な欲求と傾向

12星座の記号

12星座の定義

雑誌のホロスコープ占いなどでも馴染み深い12星座は、もともとは黄道(天球上の太陽の通り道)に沿って太陽が1年の間に通過する12の星座を指していました。占星術において12星座は「サイン」と呼ばれ、厳密には、360度の黄道を春分点(黄経0度)から30度ずつに12分割したものです。黄経0〜30度は牡羊座、30〜60度は牡牛座という具合です。

心理占星術では、サインは12通りの普遍的な心理的欲求を表します。占いでよく言う「私は〇〇座」というのは、生まれた日に太陽がどのサインにあったのかを指しますが、占星術では太陽星座だけでなく、月やその他の天体がどのサインにあったのかを見ることによって、あなたの人格の中で特に強調されている欲求や傾向を見て取ることが可能です。

12星座とエレメント

12星座の心理的分析のアプローチの一つとして「エレメント」があり、12個のサインを地水火風の4つのエレメントに分類します。

  • 火のエレメント(牡羊座・獅子座・射手座)は情熱、創造性、行動力を象徴します。心理的には、火は「自我」「エゴ」の働きを象徴していると考えられています。出生図に強い火のエネルギーを持つ人はエネルギッシュで自己主張力が強く、リーダーシップの資質があります。
  • 地のエレメント(牡牛座・乙女座・山羊座)は安定性、現実的な考え方、物質的な安全を示します。出生図に強く地のエネルギーを持つ人は現実的な問題解決能力に優れており、物質的(経済的)な安定を作り出す欲求や、責任感が強い傾向があります。
  • 風のエレメント(双子座・天秤座・水瓶座)は知識、コミュニケーション、知性を象徴します。出生図に強い風のエネルギーを持つ人々は知的好奇心が旺盛で、コミュニケーション能力に優れ、他の人々と交流することが得意です。
  • 水のエレメント(蟹座・蠍座・魚座)は感情、直感、感受性を表します。出生図に強く水のエネルギーを持つ人は繊細な感情と、他者に共感できる感受性を備えています。この感受性は優れた直感や創造的な才能として発揮されることが多いです。

12星座と3区分(モード)

次に、12星座を3区分(モード)に分けるアプローチを紹介します。12個のサインを活動宮・不動宮・柔軟宮の3つに分類します。

  • 活動宮(牡羊座・蟹座・天秤座・山羊座)は行動力やリーダーシップ能力の資質を持つサインです。出生図に活動宮の天体を多く持つ人は新しいプロジェクトを始めたり、状況を変えたりすることに積極的です。自己主張力が強く、新しいアイデアやプランを提案しやすいです。

  • 不動宮(牡牛座・獅子座・蠍座・水瓶座)は安定性と忍耐力に秀でたサインです。出生図に不動宮の天体を多く持つ人は強固な信念や価値観を守り、変化を受け入れるのが難しいことがあります。頑固で信念が強い一方、物事を最後までやり通す忍耐強さと堅実さを持っています。

  • 柔軟宮(双子座・乙女座・射手座・魚座)は柔軟性と適応力に富むサインです。柔軟宮の天体を多く持つ人は変化に対してオープンで、新しいアイデアや状況に対応するのが得意です。また、コミュニケーション能力が高く、他人との調和を重視します。
  •  

太陽星座だけでなく、自分の出生図で強調されているエレメントやモードについて知ることで、より深い自己理解が可能になります。以下、各サインの示す欲求や資質を軽く紹介します:

各サインの表す欲求と資質

牡羊座

牡羊座は12星座の一番始めのサインということで「率先して新しいことを行う」性質が強いと考えられています。火のサインで活動宮という非常に積極的な組み合わせで、心理的には個人として独立する欲求・自己認識を発達させる欲求を表します。火星に支配される、競争心・闘争心・勇敢さなどが強調されやすいサインです。

牡牛座

牡牛座は地のエレメントの不動宮という非常に安定した組み合わせで、堅実さや安定志向が強調されるサインです。時間をかけて価値あるものを構築するエネルギーで、生産的でありたい欲求、そして築き上げた現状を維持する欲求があります。金星に支配されるサインで、美しいものや五感を喜ばせる体験を好むと言われています。

双子座

双子座は風のエレメントかつ柔軟宮という軽快なイメージを持つサインです。心理的には好奇心や他人との知的交流への欲求を表し、巧みな話術で人を楽しませることができます。交友関係の広さや、多様な知識が強みになります。知性とコミュニケーションを司る水星に支配されています。

蟹座

蟹座は月に支配されるサインで、心理的には温かい感情のやりとりや、安心を求める欲求を表します。水のエレメントの活動宮という組み合わせは、人間関係において愛情や共感能力に基づく感情表現を可能にします。

獅子座

獅子座は太陽に支配されるサインで、注目を集めるエネルギーを持ちます。心理的には創造的な表現欲求や、人から認められる欲求を表します。火のエレメントの不動宮という組み合わせは、揺るぎない信念によって周囲を勇気づけるリーダーシップとして表現される資質があります。

乙女座

乙女座は地のエレメントの柔軟宮という組み合わせで、物事を改善させたり洗練させるエネルギーを持ちます。心理的には分析・識別する欲求や、効率良く機能する欲求を表します。「精密さ・完璧さを求める傾向」が強く、職人気質として表現されることもあります。水星に支配されるサインで、高い分析能力や洞察力を備えています。

天秤座

天秤座は金星に支配されるサインで、人を喜ばせ好意を得るエネルギーを持っています。心理的には人と関係を持つ欲求や、調和やバランスを作り出す欲求を表します。、風のエレメントの活動宮という組み合わせは、積極的に人との交流を求める印象を与えます。天秤の象徴が表す調和や公平さを好む気質は、優れた美的感性や社交感覚として発揮されそうです。

蠍座

蠍座は冥王星に支配されるサインで、心理的には人や物事と深く関わる欲求や、激しい変容への欲求を表します。水のエレメントの不動宮という組み合わせで、強い情念や情熱を内に秘める一方で「物事に動じない」印象を与えるサインです。

射手座

射手座は火のエレメントの柔軟宮という組み合わせで、自由や冒険を求めるサインです。木星に支配されるサインで、心理的には探求心や精神的な視野を広げる欲求を表します。海外旅行などによる視野の拡張、そして哲学的な探求などによる精神的拡張も活発になります。弓に矢を番える「射手」の象徴は、「真実の探求」や「人生の目的の探求」を暗示していると見ることができます。

山羊座

山羊座は地のエレメントの活動宮という組み合わせで、現実的な目標の達成や成功を求めて行動するサインです。心理的には秩序だった構造や自己制御への欲求を表します。土星に支配されるサインで、強い責任感や管理能力を備えています。山羊座は「若い頃は老成した印象を与え、年をとると若くなる」といった感じの言い回しがあります。

水瓶座

水瓶座は天王星に支配されるサインで、知性の働きや革新的な考えが強調されます。心理的にはユニークな存在でありたい欲求や、革新を起こす欲求を表します。風のエレメントの不動宮という組み合わせは、強い信念と社交性として現れやすく、自分と考えを共有する仲間が集まりやすくなるかもしれません。

魚座

魚座は海王星に支配されるサインで、強力な想像力や直感力を備えています。心理的には夢や理想のために生きる欲求を表します。水のサインの柔軟宮という組み合わせで、人の痛みを理解する感受性や共感能力にも優れています。夢・理想など「まだ現実に存在しないもの」を扱う欲求があり、「先見の明」として表現されることもあります。

まとめ:12サインの統合的分析

12サインは12通りの普遍的な欲求を表しています。ホロスコープの円の中には12サイン全てが含まれているので、誰もがどこかの部分でこれらの12の欲求を持っているのです。

ただ、個人のホロスコープにおける天体分布は非常に独特で、特定のサインやエレメント・モードが強調されたりします。12サインのうちどのような資質が強調されているのかを統合的に分析していくことで、自分の持つ独特な強みや欲求を理解することが可能になるのです。

次に読む記事:惑星の意味