少し前に収録したポッドキャスト「心理占星術における木星」が上がっています。まだのかたはこちらでお聴きになれます。
今回は木星の象徴と呼応する「報酬系」や「幸福ホルモン」とも言える脳内物質ドーパミンについてのお話があるのですが、この快楽ホルモンがどのように分泌されるか、というのが興味深いポイントです。
報酬への「期待」が生む幸福感
カジノのスロットマシン中毒の人たちの脳内状況を観測した実験によると、ドーパミンが分泌されるのはスロットのボタンを押した時(結果が分かったときではなく)だったそうです。
つまり、大当たりしたから幸福を感じるのでなく、大当たりが「得られるかもしれない」と期待するから幸福を感じるのです。
これは、ギャンブルの中毒性を納得させてくれるお話ですが、そこで終わらせてしまうには勿体ない示唆を含んでいます。
即ち、人は「良い事が起こる」から幸せを感じるのではなく、「良い事が起こると期待する」から幸福を感じる。
恵まれているのに全く幸せを感じられない、という人にとって、これは重要な洞察です。また、望んでいた目標を達成したのに幸福感が得られない、という人にとっても。
占星術の象徴的に言い換えると、木星(報酬)を活性化させるには「望む報酬を得る期待」という要素が不可欠であると言えます。
幸運の星として連想される木星の心理的機能にはよく「楽観性」と「陽気さ」が挙げられます。意識的に「何かを楽しみにする」「(行動すれば)良い体験ができると期待する」習慣をつけることで、幸福感を得られるのは勿論、自分が「幸運である」という感覚も得やすくなるかもしれませんね。
皆さんは今、何を楽しみにしていますか?
楽しみな事をあと10個位増やす事が出来たら、今日がどう変わると思いますか?
アメリカ・フロリダ州在住の心理占星家。西洋占星術界の重鎮ノエル・ティルに師事。氏の難解で有名なマスターズ占星術認証コースの最優秀卒業生。日英完全バイリンガルの占星術家で国際的に活動。日本語で占星術セッション実施中。2012年より心理占星術オンライン講座シリーズを開始。2015年より日本で唯一ノエル・ティル公認の占星術師養成講座「占星術マスターズコースJAPAN」を開始。