ホロスコープの見方

目次
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    ホロスコープの構造

    ホロスコープの構造

    ホロスコープとは

    ホロスコープとは空の天体配置を表す図のことで、特定の時間と場所における太陽、月や惑星、サイン・ハウス等の位置を表したものです。占星術では個人が生まれた時のホロスコープのことを「出生図」と呼びます(上の図は出生図の一例)。誕生の瞬間の天体配置は、その人の人生の発達のパターンを表していると考えられています。

    出生図において、本人は円の中心に位置すると考えます。ASC(アセンダント)とDSC(ディセンダント)を繋げる線を地平線と呼び、この線が空と大地の境界線となります。地平線の上にある天体は、誕生時に空に見えた天体。地平線の下にある天体は地球の裏側にあるため見えなかった天体となります。MC(ミッドヘブン)とIC(イマム・コエリ)を繋ぐ線は子午線です。

    ホロスコープを構成する要素

    ホロスコープを構成する要素にはサイン天体(惑星)ハウスがあります。上の出生図で、各天体がそれぞれサインを持ち、特定のハウスの中に入っているのが確認できると思います(サイン、天体とハウスの詳しい意味については下図の各ページをご覧ください。)

    ホロスコープの読み方

    基本的な文法(天体、サイン、ハウス)

    出生図のパターンを読み解く最初の一歩として、各天体のサインとハウスの配置について理解していきます。基本的な文法は「天体がサインの欲求に基づいて、ハウスの領域で活動する」というものです。

    上の出生図を例にとって考えてみます:

    • 太陽が牡牛座で、9ハウスに入っています。この配置は、生きる上での目標や原動力(太陽)が、価値あるものを築き上げたい欲求(牡牛座)に基づいており、それを学問や哲学的分野(9ハウス)において行う可能性が高いことを示しています。
    • 月が双子座で、10ハウスに入っています。これは最も強力な欲求(月)が、人とのコミュニケーションを行うこと(双子座)であり、それを職業面(10ハウス)で表現する必要性を表しています。
    • 水星牡牛座で、9ハウス考え方や話し方(水星)に生産的でありたい欲求(牡牛座)が強く関わること、そしてそれを特に学問や哲学の分野(9ハウス)で活用できる可能性を示しています。
    • 金星蟹座10ハウス対人関係における魅力(金星)を温かい感情のやり取り(蟹座)を通じて、特に職業面(10ハウス)で発揮できる可能性を示しています。
    • 火星双子座10ハウス自己主張やエネルギーの活用(火星)をコミュニケーション欲求(双子座)を通じて、キャリアや職業(10ハウス)で発揮できる可能性です。
     
    ここまでで、だいぶはっきりとした個性が浮かび上がって来ています。この出生図はウェイン・ダイアーという心理学博士のものです。カウンセラーとして成功した後、心理学、自己啓発やスピリチュアルな哲学の本など合わせて30〜40冊の著書を残しています。日本も含めた世界中で翻訳されている著書が多くあります。

     

    上記の解釈をもう一度見直してください。哲学的分野における高度の生産性(多数の著書)や、職業におけるコミュニケーション能力の発揮(カウンセリング・執筆)など、しっかりと出生図の可能性が反映されているのが確認できるはずです。

     

    アスペクトが及ぼす影響

    アスペクトの記号

    基本的な文法を学んだ後は、更にアスペクト(天体間の角度)を通じた天体間の影響について考えていきます。(アスペクトの意味

    アスペクトは出生図の円の中に、天体同士を繋ぐ線をして表記されることもあれば、下図のようなアスペクト表で表記されることもあります。下のアスペクト表は、上図のウェイン・ダイアーの出生図のアスペクトをまとめたものです:

    ウェイン・ダイアーのアスペクト表。

    このアスペクト表を元にいくつか解釈例を挙げていきます:

    •  9ハウス、牡牛座の太陽が同じく9ハウス、牡牛座の天王星コンジャンクション。出生図で両天体が隣り合っているのを確認してください。「生きる上での目標(太陽)が生産的かつ価値あるものを築き上げたい欲求(牡牛座)を通じて、学問や哲学的な分野(9ハウス)において表現される」というのは前述した通りですが、ここで更に「革新的な姿勢」「強い独立精神」(天王星)といった要素が、上記の太陽の表現に加わります。これらの資質はダイアー氏の心理学や哲学の著書にも強く表現されており、初期の著書では特に「人の意見に左右されないこと」などの、独立重視、個性重視の思想が目立ちます。
    • 更に、この太陽に対して1ハウスの海王星トラインを形成しています。これは海王星の直感、創造性やスピリチュアルな感受性アイデンティティ(1ハウス)の一部として強く機能しており、それが前述した太陽の「学問・哲学的分野における生産性」をサポートしている(トライン)ことが見て取れます。後期のダイアー氏のスタイルは心理学からよりスピリチュアルな哲学や洞察に移行し、心理学者というよりはスピリチュアル・ティーチャーとしてのアイデンティティを強く表現していました。
    • 上記の表現と共鳴しているアスペクトとしては、10ハウス、双子座の火星海王星とスクエアを形成しているというのも重要です。これはコミュニケーションを通じた(双子座)キャリア(10ハウス)における自己主張(火星)に、スピリチュアルな感受性を備えたアイデンティティ(1ハウスの海王星)が強い緊張(スクエア)を与えていると見ることができます。心理学の博士号を持ち、ベストセラーの著書も出版していたカウンセラーであるダイアー氏のキャリアが、徐々にスピリチュアルなものに移行していくのは単純なことではなく、おそらく周囲からの批判や内的な葛藤などもあったかもしれません。それを持ち前の独立精神で乗り越えて、新たな分野で大きく成功を収めたことからも、この海王星と火星のスクエアの統合が強力な強みになっていることが伺えます。
    このように、基本的な天体配置を理解し、アスペクトによる影響などを考慮していくと、だんだんと出生図が秘める可能性や潜在能力が明らかになっていきます。
     

    統合的な分析:エレメント、モード、天体分布

    その他には出生図全体のパターンを見る統合的な分析法が存在します。よくあるのは、10天体の配置で特に強調されているエレメントやモードの性質を見る、というものです。

    例えばダイアー氏の出生図においては地のエレメントの天体が5つ(10天体のうち50%)あります。これに加えてアセンダントのサインも地のサインなので、地のエレメント、すなわち現実的な視点や経済的安定を作り出す能力が強調されていると考えて良いでしょう。これは前述の海王星の影響に対する良いバランスとなっており、スピリチュアル分野の講師としても経済的に成功できたことを反映しています。モードに関しては、不動宮の天体がこれも5つあります。これは忍耐力と強固な信念を裏付けていると見て良いでしょう。

    この他にも、天体分布のパターンを見て出生図を統合的に分析する方法がいくつかあります。例としては半球の偏り、グランドトラインなどの特殊なアスペクト型などがあります。

    心理占星術:更に洗練された分析

    上記の基本的な分析法を学ぶだけでもかなりの情報量となりますが、心理占星術においては更に洗練された分析を行っていくことになります。初めての方にはまず、天体、サインやハウスなどの象徴についてもっと詳しく学べる「ホロスコープの基礎」という講座をお勧めします。基本を学んだ中級〜上級者の方には、ノエルティルの心理占星術シリーズ第1部である「出生図の分析」という講座をお勧めします。通常の教本などでは得ることが難しい、洗練された分析を学ぶことができます。

    ホロスコープの作成方法

    astro.comなどのサイトを通じて、無料で出生図を作成することができます。本ページを読んで興味が湧いた方は、ぜひご自分のホロスコープチャートを作成してみてください。