惑星の意味
惑星の意味：心理的な機能
占星術で使用する惑星と、その意味
一般的には「太陽の周りを回る一定質量以上の天体」のことを惑星（planet）と呼びますが、占星術では太陽・月も含めてPlanetと呼ぶことが多いです。日本語では混乱を避けるために惑星よりも天体と呼ぶことが多いようです。
現代占星術では太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星の１０の天体を使うのが基本です。その他の小惑星や、恒星の位置を使用する占星術もありますが、影響力においてはこの１０天体が最も強力と言えるでしょう。
古代から惑星には神々の名がつけられており、それぞれの天体の司る領域があると考えられていました。例えば、古代ローマでは火星（Mars）は戦争の神であると同時に農作物を守る神として、金星（Venus）は愛、勝利、豊かさを司る女神として崇められていました。
占星術においても、各惑星にはそれぞれ担当する領域があると考えられています。現代占星術では、天体を「心理的な機能」として解釈することが多いです。太陽は「自我」を表し、月は「感情」を表すなどです。筆者の恩師であるノエル・ティルは、出生図における各天体の配置がそれぞれの領域における「最も効率的な表現」のために必要とするものを示す、と考えていました。
自分の出生図の天体配置について知ることで、それぞれの天体がどのように表現されているのか、そしてどのように表現されるべきかを知ることができます。惑星は単なる性格描写ではなく、「今後の成長の方針」のヒントにもなる、ということです。
以下、各天体の示す意味を紹介します：
各天体の表す意味
太陽
太陽は根本のアイデンティティを表す天体です。太陽が生命に必要なエネルギーを供給していることから、心理的にも「自分を動かすエネルギー（原動力）」として捉えることが可能です。太陽が太陽系の中心であるのと同様、出生図の各惑星は、太陽のエネルギーに統合されて表現されます。「意識的な目標」「生きる上での目標」という解釈もあります。
月
月は感情や感受性、習慣の象徴です。夜空を照らす月は、太陽と対になる天体として考えられています。地上から肉眼でみた太陽と月のサイズがほぼ同一であるというのも非常に象徴的です。ノエル・ティルは、太陽の光を地上に届ける月は、太陽のエネルギーを注ぐための「最も強力な欲求（Reigning Need)」を表すと考え、「太陽のエネルギーを、月の欲求を満たすために使っている」と解釈しました。
水星
水星は知性、思考、言語能力の象徴です。出生図における水星の配置は考え方や話し方のスタイルを表す、と考えられています。成長の指針としては、「効率的なコミュニケーションや考え方のために必要な資質」を表しています。情報処理や論理的思考に影響します。
金星
占星術において金星は愛や美を象徴し、対人関係における魅力や感情表現、そして美的感性や調和の感覚に影響すると考えられています。出生図の金星の配置は、「効果的な人間関係に必要な資質」を表します。好きなもの・価値あるものを引き付ける力と捉えることができます。
火星
火星は行動力、競争心、性的欲求などを象徴しており、望みのために自己主張する能力に影響します。出生図の火星の配置は「効果的なエネルギーの活用に必要な資質」を示しています。肉体的なエネルギーとして表現されることが多く、スポーツやその他の肉体的表現にも影響します。
木星
木星は成長と拡大の象徴です。拡大の象徴にふさわしく、木星は太陽系で最も巨大な惑星で、地球が１３００個分入るくらいの大きさだと言われています。心理的には、木星は道徳的価値観、真実や生きる意味の哲学的な探求を表しています。占星術では木星は幸運や報酬の象徴とされており、出生図の木星の配置は「求める報酬のタイプ」を示すと考えられています。
土星
土星は構造と制限、そして組織化の力を表しています。長期的な目標や野心の象徴として捉えることができます。さらに、木星と土星は対になる存在として考えられており、木星の拡大を抑える意味で制限の象徴と考えられています。出生図の土星は人格に「必要な自己抑制」を表し、忍耐力や現実感、成熟した判断力に影響します。
天王星
天王星は独特の個性や、独立と自由を求める心、そして革新の象徴です。天王星は既存の秩序に波乱や変化をもたらす天体で、「目覚めをもたらすもの（Awakener)」と呼ばれることもあります。天王星には他の天体の表現を激化させる効果があります。
海王星
海王星は創造性、想像力や直感を象徴しています。自分というエゴの枠組みを超えた、全体との一体感を可能にする力です。スピリチュアルな探求や芸術的な感受性に強く影響し、神秘体験や創造的な表現として表現される可能性があります。
冥王星
冥王星は変化と再生の力を表します。深い変容や深層心理の理解としても表現されます。社会的な権力や影響力、そして隠された力の象徴でもあります。
まとめ：惑星の意味するもの
心理占星術において、惑星とは人間の心の中で働くさまざまな機能を表します。惑星が位置するサインの欲求や資質によって表現を変えて、位置するハウスの領域において活発になります。また、他の天体との相互作用（アスペクト）によって表現が著しく変化します。
人の人格が人生を通して変化や成長を続けるように、出生図の天体の表現も、変化や成長を繰り返します。あなたの出生図の天体配置について学べば学ぶほど、望ましい表現や成長の方向を指し示す指針となってくれるでしょう。
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