【対になる天体】Vol 1: 「太陽と月」

新シリーズ【対になる天体】

ポッドキャストの新シリーズを開始しました。心理占星術では天体のことを心理的機能として捉えるのですが、このシリーズでは「2つの天体がペアとして働く」場合について考察していきます。

太陽と月のペアとしての働き

 

自我と感情

太陽は「自我」を、月は「感情」を表すと見られています。太陽は意識的に行動する自分を、月は無意識に反応する感情を表します。太陽と月が上手く一致して働くと、直感や情緒的な感覚を信頼しながら行動できるようになります。

 

意思と記憶

太陽は意図的に未来を作り出そうとする「意思」を、月は過去の「記憶」の蓄積を表します。太陽は人生の目標を、月は習慣化した行動を象徴するとも言われています。過去の習慣やパターンに囚われ過ぎると、変化が難しくなりますが、過去の経験や知恵を無視すると失敗を招きます。

 

父親と母親の性質

太陽は父親、月は母親を象徴すると言われています。出生図の太陽のサインやアスペクトは父親の性質を、月の配置は母親の性質を表すというのが一つの見方です。もちろん、サイン一つとっても様々な表現の仕方があるのですが、父親と母親の個性を通じてそれらの性質を吸収していくことで、自分独特のサインの表現が生まれてきます。

著名な占星家ロバート・ハンドは、太陽と月が良好な関係(アスペクト)にある場合は、父親と母親がお互いの子育ての姿勢を尊重し合っていた可能性を示唆すると考えています。逆に緊張関係にある場合は、両親間に葛藤があった可能性が高いです。

 

アニマとアニムス

ユング派の心理占星家リズ・グリーンは、太陽と月をアニマ(男性の無意識に存在する女性的な側面)やアニムス(女性の無意識に存在する男性的な側面)と関係づけていました。

男性は自分の月(女性的側面)をパートナーに投影し、例えば自分の月サインの性質を表現してくれる女性に惹きつけられるかもしれません。同様に、女性は自分の太陽(男性的側面)の性質を男性に投影するかもしれません。

ただ、心理占星術の観点からいうと、太陽も月も両方自分の出生図の一部なので、ただ相手に投影するのではなく、自分の中に両方の天体の性質を認識して統合していくのが理想だと言えます。

 

エネルギーと欲求

ノエル・ティルの解釈では、太陽は私たちの「エネルギー」、月は「最も重要な欲求」を表します。

太陽のエネルギーを使って、月の欲求を満たすというのがティル流の見方で、太陽と月のダイナミックな分析が可能になります。

例えば、蠍座の太陽(何かを深く知り、深く関わるエネルギー)に射手座の月(哲学的探求の欲求)を持つ人は、物事を深く知るのに適したエネルギーを哲学的・精神的探求への欲求を満たすために使うと解釈できます。

 

「対となる天体」について考える時、ペアのうちどちらか片方しか表現されていない場合があるかもしれません。こうした気付きを得るためにも、ぜひご自分の出生図の太陽と月の性質について考えてみてください。

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